業界情報・コラム

Column

会計・財務系コンサルティング(M&A・再生...)

FAS(Financial Advisory Services)業界におけるキャリア形成について

▶はじめに

「M&A」、「事業再生」など、企業が大きく変革するタイミングにおいて、FASは主に財務領域のプロフェッショナルとしてアドバイス、サポートをする仕事です。BIG4から独立系のFASまですそ野は広く、経営戦略の立案支援や不正・不祥事(フォレンジック)、統合プロセスの支援(PMI)等など、企業を全面的にサポートしているファームも多く存在します。

※FASの意味合いとしては、業務そのものを指している場合と、その企業や部門、または業界を指している場合があります。

▶近年のマーケット動向

東証グロース市場では上場維持基準が厳格化され、IPOに変わる出口戦略としてM&A、MBO(経営陣による買収)を選択する企業も増加しています。また近年円安が大幅に進んだものの、国内マーケットの縮小を背景に海外展開に注力する企業も増加。海外進出の足掛かりとして国際M&Aを仕掛けるといった動きも活発です。

新規事業の立ち上げ、事業のカーブアウト、事業承継においても昨今はスピード感が求められています。企業においては必ずしも社内に高度な財務・会計についての知識を有する人材がいるわけでは無い中で、M&Aなどの知見が豊富な外部の専門家の存在価値は益々高まっています。

▶業界の概要

いわゆるBIG4 FAS(デロイト、PwC、KPMG、EY)については、国際ネットワークを背景に大規模M&AやクロスボーダーM&A、複雑な再生案件等への対応力が群を抜いて強いです。最先端のノウハウが習得でき、また特定のインダストリーに強くなれるという特徴があります。

一方で、中堅・中小企業の事業承継、M&A、再生支援のニーズも強く、主に独立系のFASや会計事務所系のFASが得意とする領域です。少人数で対応する事が多く、M&A戦略立案からデューデリジェンス(財務、税務、ビジネス、IT‥‥)、バリュエーション、PMIまで、業務が細分化されていない事が多いので、短期間で多様な経験を積むことが可能です。クライアントの経営陣と近い距離で信頼関係を構築し、伴走型で支援をしていけるのも大きな魅力です。

▶活躍できる人材/求められるスキルやマインド

特定の資格を保有していなくても活躍できるフィールドですが、やはり財務プロフェッショナルの道を歩むうえでは公認会計士の資格は有効です。ポテンシャル採用の場合、簿記2級の有無をひとつの判断にしている企業も多いです。

事業会社の経営企画や財務部門において、財務分析や予実管理の経験がある方も評価されやすく、金融機関において貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を読み込んできた方も親和性が高いといえます。

M&Aや再生は企業にとって重要な局面であり、プロジェクトを推進している間はハードワークにもなりがちです。その分、クライアントの変革期を支えているという充実感、自身の市場価値が高まっているという実感も得やすい仕事だと思います。

▶FASから先のキャリアプラン

~プロフェッショナルとして、更に上を目指す~

FASにおいては成果を上げれば年収を上げやすい特徴があり、ディレクター、パートナーを目指して行く道も非常に魅力的です。例えばBIG4であればシニアアソシエイトでも1000万円前後、マネージャーで1500万円前後という水準が期待でき、ディレクター以上になると2000万円以上への到達も可能です。

~事業会社の経営企画・CFO~

財務・会計の高い専門知識を有し、様々なM&Aや再生の案件に関与してきた経験は高く評価されます。一方、事業会社での勤務経験が無い場合は慎重に判断すべきです。企業規模やカルチャー、管理部門などの組織構成、また入社後に期待されるパフォーマンスなど、しっかりと分析したうえでご選択頂きたいと思います。

~投資銀行~

FASで培った財務DD、バリュエーション、財務モデリングなどの経験はベースとなり、評価もされやすい一方、投資銀行はM&Aの実行支援に加えて資金調達や引受といった業務を担っており、案件のソーシング、交渉力、案件全体を回すプロジェクトマネジメント力といった能力も必要となります。

M&Aという一つの大きなプロジェクトを、関係者と取り纏めながら主体的に推進していく必要があり、FASより更に高額な報酬が期待できますがハードワークにもなりがちです。そういう意味では、ご自身の性格や特性、モチベーションを鑑みたうえでチャレンジ頂きたいと思います。

▶ご転職の支援にあたり

「キャリアの最終目標がある」という方も実は多くないと思います。また、自分の性格や深層心理と深く向き合えている方も実は多くないと思います。

例えば、PEファンドに憧れがあという20代後半の方とお話しした際には、当初は「インパクトのある仕事がしたい」「もっと稼ぎたい」という事をメインにおっしゃられていましが、ご性格的にも所謂学者さんタイプで何か専門領域を深堀していく方が向いていると思い、バリュエーションをコアとしたスキルアップをご提案。今では某法人内でマニアックなほどに知識を追求されています。

監査法人で経験を積まれてきた方から次のステップをどうすべきか、というようなご相談も多いですが、ある方は何となくFASに興味があるところから、自己分析をしっかりされて「成長企業の経営を全面的に支援していきたい」というテーマで転職活動をスタート。現在は某上場グループのコンサル企業で、クライアントの業務改革やDX推進、経営企画機能の強化、またM&AのトランザクションからPMIまで幅広く対応し、充実したキャリアを送られています。

強くこだわりがある方、将来の見通しが明確でない方、家庭と仕事を両立させたい方…どんな方でもご相談は歓迎です。転職にお急ぎでない方も、壁打ち相手としてお役に立てればと思います。お気軽にお問い合わせくださいませ。


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